10年不倫の間に:30歳を過ぎて芽生えた気持ち
友人たちの忠告を聞くことなく、私は彼との関係を続けました。
彼は20代前半で結婚をしていましたが、夫婦仲は早いタイミングでギクシャクし、仮面夫婦化していたそう。
そんな話を聞いていたので、私は余計に彼を諦めることができませんでした。
それに、たとえ彼がデートのあとに配偶者の元へ帰っていくとしても、私は逢えるだけで幸せだったのです。
ただ、30歳を過ぎた頃、周囲の友人たちがみんな結婚をしていくのには焦りました。
私に結婚という未来はあるのかな、と。
ただ、彼に「奥さんと離婚して私と生きてほしい」なんていえませんでした。
それをいったら、負けだとも想っていたので……。
不倫を始めて10年以上のその先
不倫の関係を始めて10年以上がすぎ、私は34歳になりました。
そして、46歳になった彼は奥さんと離婚し、私と結婚前提の交際へと進んでくれました。
そこから1年後……。
不倫について打ち明けていた友人数人を招いた小さな結婚式をあげました。
あきらめかけていたウエディングドレスを着たときはすごく嬉しかったのを覚えています。
友人たちは、私のウエディングドレス姿を見て、目を見張っていました。
「不倫をしているときは、どこか悲しそうで見ていられなかったけれど、今のあなたはとっても幸せそうで、信じられないくらい綺麗」
そういわれて鏡を見ると、そこには、私自身見たことのないほど幸せそうに微笑む自身の姿が映っていました。
不倫を正当化するつもりはありませんでしたが、自身の姿を見た瞬間、「ああ、貫くべき愛だったんだ」と想いました。
その想いは、今でも間違っていなかったと感じています。