大学卒業後、入社した会社で、好きな人ができました。
相手は私より1年先輩で、将来有望といわれている人。
日に日に膨らむ恋心でしたが、彼にはすでに恋人が……。
私は、そんな彼と“友人関係”を築くことで、恋人からの略奪に成功したのです。
後に略奪の原因となる…職場で出逢った将来有望な彼
社会人一年目。
働くことに慣れず、毎日が緊張の連続だったのですが、そんな私の緊張をほぐそうと、いつも声をかけてくれる男の先輩がいました。
たった1年先輩なだけなのに、彼は仕事もでき、職場での信頼も厚い人。
先輩なのに、全然先輩面をすることがない彼でしたから、私も気楽に接することができました。
言葉を交わすことが増えると、私はどんどん彼に惹かれていき、入社後半年が過ぎたころには、「彼のことが好き」と恋心を自覚するようになったのです。
彼には長年付き合っている恋人が……
彼を好きになったことを自覚する前に、彼には恋人がいることをうわさで聞いていました。
学生の頃から付き合っている恋人とは仲が良く、仕事が立て込んでいない日などは、テキパキと仕事を終え、恋人とのデートをしているという話。
彼のことを好きになってしまった私は、「どうせ叶わない恋なのだからあきらめよう」と想っていました。
長く付き合っている恋人ということなので、勝ち目はないと考えていたのです。
ですが、心は簡単に変えることはできませんでした。
毎日職場に行けば、彼がいるのです。
顔を合わせるたびに、恋心はどんどん膨らんでいきました。
「あきらめるなんて、無理。本気で好きなんだもん」
彼に逢えるのはうれしかったのですが、恋心を感じるたびに苦しくもありました。
恋人がいる彼、でも無理にあきらめるのはやめよう
好きな気持ちをなかったことにはできない。
私は、覚悟しました。彼のことをあきらめることを、やめたのです。
そして、恋人を目指すのではなく、友人として仲良くなってもらうことを目指しました。
恋人がいたって、友人がいてもいいだろうと考え、彼に思いきって、「仕事だけじゃなく、プライベートでも仲良くできる友人にならせてください」とお願いしてみたんです。
彼は笑いながら、「もちろんいいよ」といってくれました。
のろけ話、相談事……なんでも笑顔で聞いた結果
彼とは、仕事終わりに飲みに行くことも多くなりました。
私の心には「好き」という気持ちがありましたが、彼にとって私は、あくまでも“友人”です。
彼女とのデートの話などを聞かされることもありました。
そのときは、心が握りつぶされるような苦しさがありましたが、あくまでも笑顔を忘れずに。
時には、彼女との関係の悩みなどを相談されることもありました。
そのときもつらかったのですが、「好き」という気持ちを胸の奥に秘め、相談に乗りました。
すると、彼はいつも「聞いてくれてサンキュー」と、笑っていうのです。
彼の相談に乗るだけではなく、私も、仕事の悩みや友人関係の悩みを打ち明けるなどして、彼にアドバイスを求めることもありました。
略奪したい気持ちをこらえて友人関係を続けること1年半
彼とのそんな関係は、1年半ほど続きました。
「最近、彼から恋人の話を聞かないな……」
そんなことを想うようになった頃、仕事終わりに彼から食事に誘われました。
いつも行く居酒屋へ行くと、彼から、「彼女とは別れたんだ」と打ち明けられ、びっくり。
さらに彼は、「彼女より、○○(私の名前)といるほうが楽しくて……好きになったんだ」と、まさかの告白をされたのです。
信じられないくらいうれしくて、自然と涙が流れました。
そして、彼への恋心を秘めていたこと、あきらめきれなくて、恋人じゃなくてもいいから仲良くなりたいと想ったことを彼に打ち明けたのです。
友人関係でいる間、彼の話を聞くのがつらいこともありました。
でも、そこを耐えてよかったと、今は心からそう想います。
彼から、「付き合おう」といわれ、晴れて恋人関係へと進めたのですから……。