- 私:フリーランス。仕事先で彼に出会う
- 裕樹さん(仮名):私の仕事先に在籍。既婚者
不倫なんて許されるものではない。
かつて私は、「不倫をする人たちはみんな不幸になればいいのに」と思っていました。
そんな私がまさか不倫をするなんて……。
しかも、最終的に幸せになるなんて、今でも信じられません。
とても仲の良かった既婚の編集者と親密な関係に
私は専門学校を卒業後にデザイン会社で働き、いろんなクライアントの人脈ができたことで、30歳を目前にしてフリーランスになりました。
なかでも一番のお得意さんは出版社。
折り紙や絵葉書、写経などの実用書を扱う出版社の編集部にいた裕樹さん(仮名)は特に仲が良く、独立後もコンスタントに仕事をいただいていました。
裕樹さんは4つ年上で既婚者。
穏やかな性格で、常に笑顔。
雑学知識が豊富なアイディアマンで、同僚からの信頼も厚い。
一緒に仕事をすると勉強になることが多く、楽しいので、裕樹さんに好意を抱くのは自然なことでした。
既婚者の彼を慰めているうちに一線を越えて……
案件を進める上での打ち合わせや仕事がひと段落した後の打ち上げを裕樹さんと二人きりで行うことも珍しくありませんでした。
そんなある日、打ち合わせ後の食事で珍しくお酒を飲んだ裕樹さんが「実は妻が浮気しているみたいなんだ」と切り出してきたのです。
今まで裕樹さんが愚痴をこぼしたことなど一回もなかったので驚いた反面、私に心を許してくれているんだと感じ、うれしくなりました。
「もうダメかもしれない」「離婚することになりそう」と嘆く裕樹さんを励ましつつ、「彼がフリーになるかも」と考えてドキドキしていることに気づいた私。
その夜、「妻がいる家に帰りたくなり彼」と「そんな彼を慰めたい私」は自然と気持ちが一つになり、関係を持ってしまったのです。
既婚者の彼からの告白。私と想いが一緒だったことを知る
その後、何度もデートを重ね、いつものようにホテルで愛し合った日の夜、ベッドのなかで裕樹さんは唐突に「ずっと前から君のことが気になっていた」と言い出しました。
驚く私を抱きしめ、「妻とはきちんと別れるから、付き合って欲しい」と言ってくれたのです。
もちろん、私に断る理由はありません。
「うれしい」と喜ぶ私を見て、彼はまじめな表情になり、諭すように言いました。
「妻に私たちの関係がバレて、離婚がこじれるようなことにはなりたくない。だから私を信じて、今から言うことを守ってくれる?」と。
彼の離婚成立までひたすら待つだけの日々
彼からの提案は「今後、会社の外では二人きりでは会わない」「メールや電話、SNSなどで仕事以外のやりとりをしない」という二つ。
彼は奥さんの不倫の証拠を集めるため、身辺調査を始めることにしたのですが、逆に奥さんも彼にやましいことはないか探っている可能性がある。
なので、「離婚が成立するまでは恋愛感情を捨て、仕事のパートナーとして向き合う」と約束したものの、それは私にとって予想以上につらいことでした。
いつまで待てばいいのかわからない。
それに、奥さんとの離婚協議の状況がどうなっているのかもわからない。
彼のことを信じながらも、少しずつ心が疲弊していき、仕事に支障が出るギリギリの状態だったのです。
「信じて良かった!」ついに彼の離婚が成立
距離を置くようになってから3ケ月後、裕樹さんから「今夜食事に行こう」と連絡が来ました。
奥さんは1ケ月前に家を出て行き、1週間前に正式に離婚が成立したのですが、用心深い彼は私に連絡するのをしばらく控えていたのです。
彼の「待たせてごめんね」の言葉を聞いた私が子供のように泣き出し、そんな私の頭を彼が何度もなでてくれたのは忘れられない想い出。
私たちが結婚したのは、それから半年後のことです。
夫婦としても、仕事のパートナーとしても円満な関係を築き、今は二人目の子供がお腹にいます。
不倫って悲劇しか生まないイメージがあったのですが、どうやら違ったみたい。
私は今、すごく幸せです。