今から2か月ほど前、彼に振られました。
彼のお母さんが病気になり、帰国したためです。
みんなに祝福された私と彼の出会い
彼は、日本の大手企業で働いていた外国人でした。
彼と知り合ったきっかけは、帰国子女グループの友人から誘われたパーティー。そこに彼が来ていたのです。
しばらくして、好きな女の子がいると相談され、話を聞いているうちに突然告白されて、付き合うことになりました。
好きな女の子というのは、私のことだったのです。
彼と付き合うようになってからは……楽しかった。
日本人ではない、彼の友人たち。
そんな友人たちと一緒に大勢で過ごすことが多い日々は、帰国子女ではない私にとって新鮮で楽しいものでした。
みんなで海外の彼の実家にも行き、現地でクリスマスを祝ったり、スキーやホッケーやバスケをしたり、誕生日には大掛かりなサプライズをしたり……。
季節や行事を存分に楽しんだ、彼との濃い1年間。
私と付き合うようになったことで彼がフレンドリーになった、と友人たちも喜んでいました。
私自身も見識が広がり、価値観が変わり。
付き合えば付き合うほど、彼のことを好きになりました。
あんなに祝福に包まれた出会いは、人生で一度あるかないかではないかと思ったほどです。
しかし、2か月前のある日、彼が突然、電話に出なくなったところから、私の運命は大きく変わっていきました。
外国人の彼と私……2人の運命を変えた一本の電話
電話をしても出ない。
メールをしても返信してこない。
翌日まで様子をみましたが、そんなことは今まで一度も無かったので、彼に何かあったのではないかと気になった私は彼に何度も連絡を入れました。
よほど私がしつこかったのか、やっとメールがきましたが、「今は誰とも話したくない」と。
心配になった私は、その足で彼の部屋に行きました。
誰とも話したくないと言っている人に会いに行くなんて、私はなんてひどい人なのかと思いましたが、彼のことが心配で……。
顔をみて、私の口からついた言葉は「ごめんね」。
誰にも会いたくなかっただろうに、彼は私を快く部屋に入れてくれて、俯きながら話してくれました。
妹さんから電話があって、お母さんが病気で、あと1か月ほどの命だと……。
以前、彼の実家で会った彼のお母さんは、とても明るくて元気だったのに……。
今にも消えてしまいそうなほど沈んでいた彼に、かける言葉が何も見つかりませんでした。
その翌日です、私が彼に振られたのは。
二度と会えないの? 復縁できないの? 彼との悲しい別れ
「嫌いになったわけじゃないんだ、大好きなのは変わらないけれど、ママのために帰国することにした。日本にはもう戻らないつもりだから、別れないとならない。僕を待たないで」
涙を浮かべて話してきた彼。
「別れなければならないって、なに?」
納得しきれませんでしたが、せめて無事に送り出してあげたいと私は、友人たちに連絡をして、彼の荷物や色々なことの整理を手伝い、みんなで彼のお母さんのために千羽鶴を折り始めました。
彼は、「辛くなるから見送りは来ないで」と言いましたが、私と友人たちは空港まで千羽鶴を持って見送りに行きました。
「ありがとう」
「ありがとう」
泣きながら感謝を伝える彼を抱きしめながら、私たちは搭乗の時までずっと彼と手を繋いでいました。
彼のぬくもりを感じるのは、これで最後。
「お互いに好きなのに、なぜ別れなければならいの?」
彼には言えませんでした。
本当に寂しくて辛かった。
そんな彼から先月、カードが届きました。
忘れられない……SNSで彼に会う毎日
「日本ではありがとう。おかげで僕は少し元気になって、新しい恋をしようと決めた。本当に感謝しているよ。ずっと良い友達でいよう」と。
その後、「元気?僕は少し後悔している。君の支えが必要かもしれない。でも、やっぱり僕たちは付き合えない」とメールもきました。
彼がこんなことを言う理由がどこにあるのか、私には分かりません。
だから、彼のSNSを見て、「時間がたてば、状況が変われば、もしかすると元に戻れるかもしれない」と、期待してしまっています。
彼との復縁は……無いのかもしれませんが、まだ終わっていない気がしてなりません。