今から2年前、私には同棲をしていた彼氏がいました。
穏やかで、優しくて、束縛もしない大人な彼。この人とずっと一緒にいたいと想えるほど大好きでした。
彼氏から「同棲しよう」といわれたときは、とてもうれしかったです。
ですが、いざ一緒に住み始めると、彼氏は豹変。
束縛の日々が始まったのです。
出逢いは大学サークル
彼氏との出逢いは、大学でのサークルでした。
私より一歳年上の彼氏は、サークルでもリーダー的な立場。周囲からも「大人だよね」なんていわれていました。
話しかけるとどんな内容でもじっくり聞いてくれるので、私はどんどん好きになっていったのです。
彼氏も私のことを気に入ってくれたようで、出逢って数か月後には告白をしてくれ、交際をスタートさせました。
交際を始めてから、彼氏との連絡はほぼ毎日していました。
ですが、そのほとんどが私からのもの。
彼氏から連絡をしてくれることはほとんどありませんでした。
少し寂しかったのですが、彼氏が、「自分から連絡するのが苦手なんだ」「マメじゃなくてごめん」と謝ってくれていたし、連絡をすれば必ず返事はくれていたので、「まあ、いいか」と想っていました。
彼氏の卒業
一歳年上の彼氏でしたから、卒業も私より先。
離れて過ごす一年間は寂しかったです。
でも、社会人になり忙しいだろうと、連絡をするのも少し気を使うようになりました。
それでも彼氏は、連絡を入れればちゃんと返事をしてくれて、逢いたいといえば逢いに来てくれました。
愛されていると想えました。
私の卒業・就職を機に同棲スタート
私も大学を卒業することになり、彼氏と同じ地域で就職することが決まりました。
すると、彼氏から「一緒に住もうか」といわれたのです。
大好きな彼氏に同棲を提案してもらえ、私は天にも昇る気持ちでした。
「それってプロポーズ?」とふざけて聞いたら、「そうかもね」と笑って抱きしめてくれたこと、本当に嬉しかったのです。
彼氏豹変! ルールがどんどん増えていく……
同棲を始めて数週間がたった頃のこと。
私は、大学時代の仲間と久しぶりに逢う約束をしていました。
そのことを彼氏に伝え、「今日は帰りが遅くなる」というと、彼氏の顔色が変わったのです。
「9時には帰ってこなくちゃだめだよ。今日だけじゃなくて、これからもそうしよう」
9時なんて早い……そう思いましたが、「心配なんだよ」の一言で、うなずくしかありませんでした。
その後、私たちの同棲生活には、いろんなルールが次々作られていきました。
- 仕事のお昼休憩の時には必ずLINEをする
- 友だちと逢うときは名前を教えていく
- 友だちと逢ったら一緒に写っている写真を送る
- 人の友だちがいる集まりには参加しない
- 二人で過ごしているときに別の人の話をしない
これは最低限のルール。実は、もっともっとありました。
窮屈になっていく毎日に限界
はじめのうちは、彼氏の束縛を愛情だと想えていました。
私は、どんな時も穏やかに優しく包み込んでくれるような彼氏に惹かれたんだ……って。
しかし、気づいたのです。今の彼氏は、私の好きになった彼氏じゃないと……。
何度も、「そのルールはおかしい」「束縛はやめて」といいましたが、一向に聞き入れてもらえませんでした。
そのせいでケンカをすることも多くなっていき、私は、精神的に追い詰められてしまいました。
もう、彼氏のことを好きだと想えず、「彼を不機嫌にさせないようにしなくちゃ」という気持ちだけになっていたのです。
別れを告げ、同棲解消
結婚も意識するほど好きだった彼氏でしたが、一緒に住んでいくのはもう無理。限界……。
私から「もう別れたい」と切り出すと、彼氏は泣いて「嫌だ」といいましたが、その涙すら私の心には響かなくなっていました。
彼氏が仕事に行っている間に引っ越しを済ませ、別れたのです。
今でも時々彼氏のことを思い出しますが、「もう一度やり直したい」とか「愛されていたことに気づけなかった」とか、そういう気持ちにはどうしてもなれません。