自分のことは自分が一番よく分かっているつもりです。
私は、顔もスタイルも“ごく普通”。
コミュニケーション能力も高いわけではありません。
自分に自信がないから気持ちが後ろ向きになり、男性の目には魅力のない人に映ってしまうのかも……。
でも、そんな何の取り柄もない私にも彼氏ができました。
彼は、こんな私にも「好きだ」とか「可愛いよ」って言ってくれたんです。
彼に何を言われても自信を持てなかった私
「もっと自分に自信を持ちなよ、自分で思ってるより可愛いんだからさ」
彼は笑顔で、そしてときには真剣な表情で、そう言ってくれたのに私は信じることができませんでした。
このとき、私が考えていたのは「こんな私を好きになってくれた彼を失いたくない」ということだけ。
なので、何でも彼の言いなり。
何をするときも、彼の好きにしてもらうことで、居心地の良さを感じてもらおうとしていました。
でも、それが最悪の選択だったんです。
彼に従順だったのは私なりの愛情表現のつもり
「今度の日曜日、どこに行こうか?」
「どこでもいいです」
「映画でもいい?」
「はい」
「何か観たいものはある?」
「いえ、お任せします」
「夜は何を食べたい?」
「何でも好きです」
「そういうこと言ってると、ファミレスになっちゃうよ(笑)」
「ファミレスでも全然大丈夫です」
デートの行き先も食事もすべて彼任せ。
これでは彼が疲れてしまうし、私と一緒にいる意味がないですよね。
「こんなことなら、一人で遊んでいた方がマシだ」と彼が考えるようになっても不思議ではありません。
でも私のなかでは、彼の好きにしてもらうことが“愛情表現”のつもりでした。
従順にしていた結果、あれほど優しかった彼は変わってしまった
そんな感じの付き合いが2ヶ月ほど続いた頃、彼の様子に変化が起きたのです。
デートの行き先を私に聞くこともなくなり、それどころか連絡が来る回数も激減。
かと思えば、平日の夜に「今から会おう」とか「○○で待ってる」と急に呼び出されたり。
私は、何が原因で彼が怒っているのかわからず、落ち着いてもらうためにも、とにかく「言われた通りにしなければ」と必死でした。
この頃の私は、何を言われても「ごめんなさい」と謝るばかり。
それでも彼がいっそうイライラする場合が多く、正直どうすればいいのかわかりませんでした。
そのことを同性の友達に相談したら、「そんな風に大事にしてくれない彼氏とは別れなよ」と言われたのですが、心に何かが引っかかっていたんです。
そこで、幼なじみの男性に相談したところ、自分の過ちに気づくことに……。
「私なんて……」卑屈な言葉を発するたびに彼は傷ついていた
「謙遜と卑屈はまったく別物だからね」
その言葉で私はハッとしました。
彼がいつも褒めてくれたのに、そのたびに「私なんて……」と否定してばかり。
「君の『私なんて……』って言葉は、彼氏の褒め言葉や君への思いを結果的に全否定していたんだよ」と男友達に言われて、私は目の前が真っ暗になりました。
彼の目には、私が魅力的に映っていたからこそ、あんなにも褒めてくれたり、付き合ってくれたのに私ってバカだ……。
「彼が変わってしまったのは、君のせいだと思うよ」
「自分の好きな人が殻に閉じこもって、自分と向き合おうとしてくれないのは、彼氏にとって何よりも悲しかっただろうね」
その数日後、彼から「別れよう」という連絡が来たのです。
自信がなかったための従順。彼から愛されたことを自信に変えて未来へ……
結局、彼とはヨリを戻すことはできませんでした。
でも、この失恋をいい経験にしなければ彼に申し訳ない……。
今は少しだけ自分に自信を持ち、何事もプラス思考でいきたいと思えるようになりました。
いつか、「あの頃の私は何て卑屈だったんだろう」と笑いながら、素敵な恋愛をしている未来を手に入れたい、そう思っています。