これは、僕が母の不倫に気づき、復讐を果たした話です。
僕は20歳の大学生で、両親は2人とも41歳。どこにでもある、ごく普通の家庭でした。
そんな僕らの暮らしに大きな変化が起きたのは先月のこと。
父が地方の支社への転勤が決まり、単身赴任をすることなった直後から、母は昼間に友達と出かけることが多くなったのです。
最初は「母も息抜きがしたいのだろう」と思っていたのですが、ある時、帰ってきた母の化粧が出かけた時よりも濃いというか、崩れていないことに気づきました。
もちろん、遊んでいる途中に化粧室で直した可能性もありますが、普段とは少し違ったので違和感を覚えたのです。
母の変化に気がつき、不倫の可能性を感じ始める
母が外出から帰ってくるたびに注意深く見てみたところ、化粧が整いすぎていたり、やけに饒舌だったりと、いつもとは違う雰囲気を感じることが多くなりました。
次第に僕は「もしかしたら男と会ってるのでは?」と不倫の可能性を考えるようになったのです。
そして、「学生時代の友人との温泉旅行」という建前で出かけて帰って来た母に質問をぶつけてみたのです。
「温泉はどうだった? 露天風呂はあった? 大浴場は広かった?」
「うん、良かったわよ」
「朝食や夕食は何が出たの?」
「別にありきたりなメニューよ」
何を聞いても当たり障りのない答えしか返ってきません。
さらに気になったのは、お土産がなかったこと。
両親と旅行に行ったり、泊まりがけで出かけたりした時は必ずお土産を買っていたのに……。
僕の中で疑惑はますます深まりました。
母親が不倫している証拠をつかむことに成功
実は温泉旅行は不倫相手と行った、もしくは温泉には行かず、不倫相手とどこかに泊まっていたのではないか……。
そう感じましたが確信を持てず、いけないことだと思いながら、母の財布から交通系ICカードを抜き取り、コンビニに行く振りをして、駅で履歴を印刷しました。
その結果、この2日で母親が行った駅はあらかじめ言っていた温泉街とは全然違うところだことが判明。
温泉旅行に行った体で会話をしていた母親が何かを隠しているのは明白です。
それが不倫だと僕は確信し、翌朝、かまをかけてみました。
母親が不倫を自白……そして復讐が始まる
母にとってはいつもと変わらない朝だったはず。
「おはよう、母さん。昨日は○○○に行ってたんだね」
「え?」
履歴で確認した駅名を言うと、母の顔がみるみる青ざめていきました。
「ちゃんと証拠写真も撮ってあるよ。父さんと三人でじっくり話そうか?」
「…………」
もちろん、写真など撮っていませんが、すべてバレていると思った母は唇が震え、言葉が出てきません。
――そしてしばらくの後、母は不倫の事実を認め、もう過ちは犯さないから父には言わないでほしいと懇願してきました。
不倫相手と二度と会わぬよう母を父のもとへ
母が「不倫なんてしていない」と言い張れば、僕の負けだったかもしれません。
でも、母は僕のハッタリに引っかかって不倫を自白。
単身赴任中の父のもとに行って一緒に暮らすことを母に求めました。
母はそのことを渋々了承。
何も知らない父は、再び母と一緒に暮らせることに大喜びしていて、そんな姿を見た僕は苦笑いせずにはいられませんでした。
不倫をした母親への復讐という名の“牽制・監視”はこの先もずっと続く
どこが復讐なの?
復讐というにはあまりに生ぬるい……そう思った人も多いはず。
でも安心してください、僕の復讐は終わっていません。
なぜなら、最後の切り札が残っているから。
母親が不倫を自白した時のやり取りをスマホで録音していたんです。
「もし、また不誠実なことをしたら、この録音を父さんに聞かせるよ」と母には伝えてあります。
つまり、この先ずっと僕は母に睨みを利かせ続ける。
それこそ僕にとって母への最大の復讐なのです。