【今回の登場人物】
- 女:27歳。商社勤務。出会いを求めて出逢い系アプリを使う
- 男:28歳。女と出逢い系アプリで知り合う。誠実な人柄だが恋愛は奥手
大学卒業後、商社で働き出して5年。
27歳になった私は、両親から「彼氏はできたか?」「いつ孫の顔を見せてくれるの?」とプレッシャーをかけられ、胃が痛くなる日々を送っていました。
取り引き先や業界内の交流会、友達の紹介、飲み会やナンパなど、出逢いはいくらでもあると思っていましたが、実際はほとんどなし。
そんな時、ふと思い出したのが「出逢い系アプリ」でした。
思い返せば、前の彼もそのアプリで出逢った人。
その彼とはすでに別れており、「縁起が悪い」とアプリを削除していたのですが、久しぶりにインストールして、登録してみました。
以前よりも積極的に出逢い系アプリを活用するようになった私
かつて使っていたアプリなので、どんな男性が悪い人なのか、プロフィールやメッセージを見れば何となくわかるようになっていました。
とはいえ、27歳の私にどれくらいのアプローチがあるかは不明。
そこで、気になった男性や誠実そうな人に「いいね」を押したり、自分からメッセージを送ったりしたところ、「運命の相手」である今の彼と出逢ったのです。
彼はプロフィールや写真からは真面目そうな雰囲気がにじみ出ていて、「付き合うなら結婚が前提」という考え方も他の男性とは一線を画していました。
実際、メッセージのやり取りをしていても、彼から「逢おう」という誘いはなく、それはLINEや電話で直接話すようになっても変わらなかったのです。
出逢い系プリで見つけた彼への興味が募り、逢いたいと思うようになった
自分から「逢おう」と言わない理由を聞いてみたところ、「(女性と)面と向かって話すのが苦手」「自分に自信がない」とのこと。
でも、電話で話している時の彼は饒舌だし、いつも楽しい時間を過ごせていたので、私は「どんな人なのか逢ってみたい」という思いが日に日に高まっていきました。
そこで、「もしかしたら引かれてしまうかも」と思いつつ、ある日、私から「良かったら今度逢いませんか?」と言ってみたのです。
彼が一瞬息を飲んだのが、電話でもわかりました。
そして沈黙の後……彼の答えは「1ケ月後くらいなら」でした。
実際に会った彼は真面目な人だけど確かめたいことが……
1ケ月後である理由は「心の準備が必要だから」と言う彼のため、それからは毎日のようにLINEや電話で話し、直接逢う日に向けて不安の解消に努めました。
そうして迎えたデートの日、待ち合わせ場所で待っていた彼は、私よりも1つ年上ですが恋愛経験の少なそうな真面目な雰囲気。
カフェに入って話した際に電話の時とは違って言葉につまったり、服を褒めてあげたら顔を真っ赤にしてはにかんだりする姿に思わず胸がキュンとなりました。
そんなプラトニック(死語)なデートを何度もした後、ある日、仕事帰りの夜に逢う約束をして、私は彼の気持ちを確かめようとしたのです。
お酒が入っても、彼が変わらないかどうか。
これまで隠していた本音がないかどうか。
そして、「終電後も一緒にいたい」と言った時、どんな反応をするか。
彼の行動によっては、それ以上、二度と逢わないつもりでした。
彼はやっぱり誠実な人……そして告白
結果から言うと、問題は一切なく、彼は誠実な人。
そもそも彼は普段からお酒をほとんど飲まず、酒乱でも二面性のある人でもありませんでした。
終電近くになると彼の方から「そろそろ時間かな」と腰を上げ、スマートに会計を済ませ、私を駅まで送ってくれました。
駅に向かう途中、「もし、『まだ帰りたくない』って言ったらどうする?」と聞いたところ、「うれしいけど、順番は間違いたくないから……」と立ち止まった彼。
そして直後、彼が「僕と付き合ってください」と告白してくれたのです。
正式に気持ちの確認をしていなかったことに気づいた私は、「はい」と満面の笑みで答えました。
――まさか、こんな人と出逢えるなんて。
正直、恋愛面では未来に不安を抱いていましたが、私はこうして運命の相手に出逢えたのです。