15年前に結婚し、現在39歳。夫は40歳です。
結婚してからしばらく、私たち夫婦は、夫婦水入らずの生活を楽しむことにしました。
それでも、私が30歳になる頃から、「子どもがほしいね」という話がチラホラ出るように……。
ところが、なかなか授からないのです。
「もしかして不妊……?」
勇気を出して病院へ行き、検査を受けました。
この頃から、私たち夫婦の関係は少しずつ変わり始めていったのかもしれません。
検査の結果は「異常なし」
勇気を出して行った病院では、私の体には何ら問題がないといわれました。
少しホッとしたのを覚えています。
ただ、すぐに、「じゃあどうして授からないの?」という気持ちがわき上がりました。
夫に異常がなかったことを伝え、それでも授からないのはなぜだろうという気持ちをこぼしたときでした。
「オレに問題があるっていいたいの?」
と冷たく言い放たれました。
そんなつもりはなかったですが、まるで子どもを授からないのは私だけのせいだといわれているような気もして、悲しくなりました。
セックスレス期に突入
子どもがほしくて病院へ検査に行ったはずなのに、それ以降私たち夫婦は、セックスをすることが少なくなりました。
そういう雰囲気になっても、頭の中に「不妊」という言葉や「今回もまたダメかも」という想いがよぎるのです。
きっと夫もそうだったのだと思います。
セックスの回数はどんどん少なくなり、セックスレスへと進んでいきました。
「子どもがいなくてもいいかもしれない」
そんな気持ちが私の中に芽生え始め、セックスレスを解消しようとすることもありませんでした。
40歳に近づいて変わった気持ち
しばらく、子どもについて話すことなく生活を続けていました。
ですが、40歳という年齢が近づいてくるにつれ、私の中で「本当に子どもはいらなくて、いいの?」という疑問が出始めました。
年齢的にも、考えなければなりません。
そこで、夫としっかりと話し合うことにしました。
夫に、子どもがほしいかと尋ねました。
すると、夫は少し考えた後、「ずっとほしかった」というのです。
その言葉を聞いた私は、少し驚きましたが、私との子どもがほしいと想ってくれていたことは素直に嬉しかったです。
それから、もう一度子作りをするようになりましたが、やっぱり子宝には恵まれません。
私は、もう一度検査をしてもらうことを決めました。
前とは別の病院で検査を受けたところ、私に不妊の原因となる異常があることが判明しました。
ショックでしたが、お医者さんからは、「妊娠の可能性はありますから、あきらめずに頑張りましょう」といってもらいました。
不妊治療は精神的につらい
薬剤療法とタイミング療法から試しました。
それでもなかなか授からない。私たち夫婦はどんどん疲れていきました。
金銭面も厳しく、長く不妊治療を進めることは難しいと感じ始めていました。
タイミング療法でうまくいかないのだから、体外受精を――。
そう考えた私は、その想いを夫に伝えました。すると……
夫は、しばらく黙り込んでいました。
「子ども、ほしいんだよね?」
不安になって聞くと、夫はうつむき、こういったのです。
「子どもはほしい。でもほかの人が妻だったら子どもはできてたんだろうって考える自分がいて、オレ、もう君のことを愛していないんじゃないかって想ってしまう……」
ショックでした。
不妊治療、続ける? やめる?
夫も「子どもがほしい」と思ってくれている。
でも、私への愛に自信を持てなくなっている……。
こんな状態で、不妊治療の次のステップへ進むのは無理な気がしています。
夫の愛が、日に日に薄れているのではないか。
子どもを授かれない私は、夫に愛されないのだろうか。
そんな不安や寂しさが、常に頭をよぎってしまうのです。