私は29歳。周囲の友人たちの結婚ラッシュに焦り、婚活マッチングアプリで出逢いを求めました。
そこで出逢った彼と交際をすることになったのですが、その彼が私以外の人と結婚をしたのです。
「私たち、付き合っていたんじゃないの?」
信じられない事実に、今でも呆然としています。
遠距離彼とのデート
関西在住の私と、関東在住の彼。
ですが、彼は出張が多く、私の住んでいる場所の近くに長期出張に来ていて、当時はホテル暮らしをしていました。
マッチングアプリで出逢ったとき、共通の趣味である映画の話で盛り上がったのをきっかけに逢うことに……。
外見はとても穏やかそうで、私よりも2歳年上なだけなのに、すごく大人な人に見えました。
彼が生活をしているホテルのレストランで食事をしたのが、最初のデート。
またすぐに、2回目のデート。今度はバーで少しお酒を飲みました。
その頃には、わたしはもう彼のことが好きになっていたのです。
そして、3回目のデートでは、わたしの希望で少し離れた場所にある水族館へ。
そこで彼から「付き合ってほしい」と交際を申し込まれました。
土日は逢えない……なぜ?
彼と付き合うようになって気づいたことがありました。
彼とのデートは平日に限られていたのです。
彼に理由を聞くと「副業をしていて、土日はそっちの仕事が忙しい」とのこと。
私自身平日休みの仕事をしていましたから、土日に逢えないことでさほど寂しい想いをすることはありませんでした。
だから、彼のその言葉を疑うこともせず……。
でも、それはうそだったのです。
交際を始めて二か月が過ぎたとき、彼から「しばらく逢えない」といわれました。
長期出張も終わり、家のある東京へ戻るというのです。
寂しがる私に、彼は東京のアパートの住所を教えてくれました。
「寂しくて耐えられなくなったら逢いにいける」
私はそう思い、遠距離恋愛に臨みました。
久しぶりに逢った彼の薬指に指輪…
遠距離恋愛が始まって半年が経ったとき、私に休みができたこともあり、彼に逢いに東京へ行きました。
駅で出迎えてくれた彼が、わたしの荷物に手をのばしたとき、気づいたのです。左手の薬指に指輪をしていることに……。
「どういうこと?」
聞くと、彼はしばらく黙ったあと、私以外に親しくしている女性がいて、その人にプレゼントされたといったのです。
浮気――その言葉が頭に浮かび、ショックでした。
それでも、私のことのほうが好きだという彼。
納得はしていなかったけれど信じることにしました。
指輪には三日前の日付と名前の刻印
その日は、彼の家。久しぶりに一緒に過ごしました。
一緒に寝ていて、ふと夜中に目が覚めた時……気になったのです、隣で寝ている彼の薬指にある指輪が。
「ダメなことかもしれない」
そう思いつつも、彼を起こさないようにそうっと指輪を外し、ライトの光でよく見てみました。
すると、内側に、三日前の日付と二人分の名前の刻印が……。
「結婚指輪だ」
もう、彼を信じることはできませんでした。
左薬指の指輪を問い詰め、急に冷たくなった彼との結末
次の日の朝、指輪について彼を問い詰めると、彼は大きなため息をつきました。
「三日前に入籍した」
私と同時に付き合っていた女性がいて、その女性が妊娠したので結婚したとのことでした。
副業だといって逢えなかった土日は、土日休みのその女性に合わせて東京へ来ていたそうです。
彼から、「もう付き合えないよね? 別れよう」といわれました。
私、浮気をされていただけでなく、この人に今振られたんだ……。
別れを受け入れたものの、自分が情けなくてたまりませんでした。
誠意のない、最低な男だったと想います。
でも、今でもふと、彼のことを考えてしまう自分がいます。
「裏切られてもまだ好きだなんて意味がわからない、バカなの?」と自分を責めても、気持ちは簡単には変わらず、苦しいのです。