私は販売員をしている23歳、彼は金融会社に勤める24歳。
彼との出逢いのきっかけは、大学生時代に大好きなアーティストのライブに行ったこと。
お互いに複数の友達と一緒に来ていて、その場のノリで話をして意気投合、みんなで連絡先を交換しました。
とはいえ、当時は私も彼もすでに恋人がいたので、彼がのちの結婚相手だなんて思いもしませんでした。
それにしても、まさか2年以上も前に運命の相手と出逢ってたなんて――。
頻繁に連絡を取り合う彼は何でも言い合える親友
私も彼も東京都内の大学に通っていましたが、個人的に会ったり、ライブに行った仲間で再び集まったりすることはありませんでした。
グループLINEだけではなく、ときには一対一でやり取りすることはあっても、友達以上の関係になる雰囲気は皆無。
お気に入りのアーティストがテレビに出たり、新譜が発売されると感想を言い合ったり……。
他にも大学で起きた出来事や何気ない世間話など、何でも気軽に打ち明けられる親友でした。
恋愛傾向は対照的だった私と彼
私は自分から異性に好意を打ち明けたことはなく、付き合うきっかけは男性からの告白。
しかも、恋人候補ではなかった男性から告白されても、「この人のことを好きになってみよう」という感じで受け入れてしまう、押しに弱いタイプでした。
なので、相手と私の「好き」という気持ちの温度差が出てしまい、恋人関係は長続きしません。
それに対して、彼は高校時代から付き合っている彼女がいたので、長続きの秘訣を聞いたり、恋愛相談をしたり……。
その他にも、1年早く社会人になった彼が語る就職活動の苦労やアドバイスはとても参考になり、私が大学4年生になった頃には毎日のように連絡を取り合う仲になっていたんです。
大学卒業を前にして久しぶりに会うことに……
彼から「彼女と別れた」と聞いたのは、大学4年の夏頃だったでしょうか。
別れた理由は、新入社員として忙しく働く中で時間のすれ違いが続き、心が離れてしまったからだとか……。
当時、私も恋人がいなかったので「お互いに素敵な恋を見つけたいね」と話したのを覚えています。
そして月日が流れ、大学卒業を迎える春、彼が「卒業祝いと就職祝いを兼ねてご馳走するから、食事にでも行こうか」と誘ってくれたのです。
もちろん、そこに「恋愛感情」が絡んでいる雰囲気は一切ありませんでした。
久しぶりに会った彼は素敵な男性になっていた
約束の日、待ち合わせ場所に現れた彼はかつてライブ会場で会った時よりもずっと大人びていて、「こんなに素敵な人だったかしら」と少し驚きました。
2年近く連絡を取り合っていたけれど、よく考えたら、私たちが会うのはこの時が2回目。
初めて会った時とは印象や雰囲気が変わっていて当たり前ですよね。
実際に会って、顔を見て話すのはすごく楽しくて、どんな話題でも笑いが絶えませんでした。
終電間際まで一緒に過ごし、「また会おうね」と別れた後、帰りの電車に乗っている時に私は彼へ「今日は楽しかった! 良かったら付き合ってほしい」とメッセージを送ったのです。
再会当日の告白を経て交際開始、そして1年後……
これが、初めての告白。
そのくらい、私にとって彼は大きな存在になっていて、この日の楽しい時間を過ごす中で好意を伝えずにはいられなくなっていたのです。
彼からはすぐに「こちらこそ、よろしく」と返信が来ました。
出逢った当時はお互いに恋人がいたとはいえ、出逢いから交際開始まで2年以上かかった私たち。
でも、その2年間でお互いのことを深く知り、無意識のうちに心が結ばれていた私たちは、交際開始から1年後に結婚を決めました。
結婚相手と出逢ってたのに、まったく気づかないまま2年以上も友達付き合いをしていたなんて、鈍感というか恋愛下手というか……。
でも、世の中には同じような経験をしたカップルがたくさんいるのでしょうね。