小学生になる娘を持つ30歳主婦です。
私には、娘が幼稚園に通っていたときにママ友ができました。
子供同士が仲良くなったことをきっかけに、私と彼女も友人になったのです。
ママ友たちのリーダー的存在
彼女はとても明るい人でした。
幼稚園に子供を迎えに行くと、子供たちは「まだ遊びたい!」といって、あちこち走り回ります。
ですから、私や彼女はその間、ほかのママ友たちとお話をするようになっていきました。
彼女は趣味が多く、いろんなことをよく知っていました。
ですから、話題には事欠きません。
次第に、彼女を中心にママ友たちが集まるようになっていきました。
ママ友の輪の雰囲気はとてもよく、ママ友トラブルとは無縁の生活。
そして、娘は彼女の子供と同じ小学校へと入学。クラスも同じで、みんなで喜びました。
亀裂が入るきっかけは「教育方針」
小学生になると、彼女は、子供を塾に通わせるようになりました。
勉強で遅れをとるようなことがないようにという教育方針の家庭だったのです。
ある日、彼女から電話があり、私の娘も同じ塾に入れたらどうかと誘われました。
娘さんが、私の娘と一緒に通えたらいいな、といったらしいのです。
ただ、その塾は高額でしたし、なにより私たちの家庭では、小学生のうちはそこまで勉強に時間を割かなくてもいいという考えでいました。
一応主人に相談をしましたが、その方針は変わらず。
次の日、再び彼女からかかってきた電話で、お断りしました。
「どうして? 勉強は早くから取り組んでいたほうが良くない?」という彼女。
私は、「もちろんそうだけど、うちは、小学生のうちは遊ぶことも大事にしたくて。遊ぶ時間を少なくしてしまうのもかわいそうだと思ってるの」と答えました。
すると、彼女が息を飲むのがわかりました。そして――
「うちの子がかわいそうだっていいたいの?」といわれてしまったのです。
誤解を解くことができない
そういうつもりで言ったわけではないと伝えても、彼女は納得しませんでした。
いかに勉強が大事か、自分は娘のことを考えて勉強させているし、娘も楽しんでいる、と。
むしろ、勉強より遊びを優先させている私たち夫婦のしていることのほうが、よっぽど子供にとってかわいそうなことだとまくし立てられました。
そこまでいわれると、私も頭に来ます。
お互いの教育方針のズレからいい合いになってしまい、険悪な雰囲気のまま電話を切りました。
リーダー的存在のママ友から途絶えた連絡
それまで彼女とは頻繁に連絡を取り合っていましたが、ぱったりと途絶えてしまいました。
小学校では幼稚園のようにお迎えはありませんから、連絡を取り合わないとほとんど無関係になっていきます。
気になってはいましたが、「私から謝るのもなあ」と、そのままにしていました。
子供の参観日で再会
そんなある日、子供の参観日がありました。
学校での様子を見ることができるので楽しみにしていました。
教室に入ると、彼女がいました。
私を見ると、軽く会釈をし、そのまま目線をそらしてママ友とコソコソ話し出します。
ときどき私のほうをチラチラ見ている気もしました。
ママ友の中心になることができる彼女は、小学校の場でもママ友を大勢作り、中心となっていました。
ですから、私はどこか孤独に。
楽しみにしていた娘の姿も、晴れない気持ちで眺めることになってしまったのです。
三年経った今も続く気まずい関係
娘も、今は小学三年生になりました。
あろうことか、三年間とも、彼女の娘さんと同じクラス。
あれから何度も参観日はあり、教室で楽しそうにしている娘を見ましたが、そのたびに私は、かつてママ友だった彼女の存在が気になってしかたがありません。
あいかわらず、冷たい目線での会釈をしてきますが、いっそ無視してほしいとさえ思ってしまう私がいます。
参観日のお知らせが来るたびに、私はため息をつきたい気持ちになります。
娘の成長を感じられるせっかくの機会を楽しめないことが、とてもつらいです。